曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「妊娠中の体重管理」

妊娠中は、お腹の赤ちゃんに十分な栄養を送るため、ある程度の体重増加は必要不可欠です。

もし、体重増加が適正でないと、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。
妊婦さんが太りすぎた場合は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症、帝王切開での出産、巨大児になるなど、妊婦さんが痩せすぎてしまった場合は、切迫早産や早産、低出生体重児などのリスクが高まります。

最近は、痩せすぎている妊婦さんのトラブルが多く、特に、妊娠前から痩せていた妊婦さんが、さらに痩せてしまった場合、母体が栄養不足のことも多く、お腹の赤ちゃんにも十分な栄養が行き届かなくなります。
最近の研究で、胎児のときに十分な栄養がとれず飢餓状態になった赤ちゃんは、栄養を吸収しやすい体質に遺伝子が切り替わるため、出生後、十分な栄養を摂取したときに、栄養や脂肪分を必要以上に溜め込むようになり、早い段階で生活習慣病などにかかるリスクが高くなることが分かっています。

妊娠中の適正な体重増加の目安は、低出生体重児の出生率増加に伴い、2021年に見直されました。
妊娠前の身長と体重から計算する 『BMI』という体格指数で判定します。
妊娠前のBMIが18.5未満の場合、12kg~15kg。
18.5以上25未満は、10kg~13kg、25以上30未満は、7kg~10kg、30以上は、上限5kgを目安に個別対応となっています。

妊娠中の体重管理は、お母さんだけでなく、赤ちゃんの将来の健康にも影響します。
短期間での急激な体重増加は良くないので、体重の増やし方にも十分注意しましょう。

※BIMの算出計算式表記は…体重kg÷(身長m×身長m)

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