曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「妊娠中の腰痛」

妊娠中の腰痛は、多くの妊婦さんが経験するマイナートラブルです。
         
妊娠中に腰痛が起こる原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、妊娠中に分泌されるホルモンの影響です。
妊娠すると分泌されるホルモン『リラキシン』には、分娩のときに赤ちゃんが狭い骨盤を通りやすくするため、骨盤周りの関節や筋肉、靭帯を緩める働きがあります。
『リラキシン』は、妊娠初期から分泌されるため、まだお腹が大きくなっていない時期でも、腰痛が起こる原因になります。
また、『リラキシン』は、分娩に必要なホルモンなので、妊娠後期から末期にかけて分泌量が増えるといわれています。
お腹の大きさや重さがピークを迎える時期に、骨盤周囲の関節はさらに不安定になり、周辺の筋肉にも大きな負担がかかるため、腰痛も起こりやすくなります。

もう1つは、お腹が大きくなることによる姿勢の変化です。
お腹が大きくなることによって、体の重心が前に移るため、バランスをとろうとお腹を突き出しで上体を反った姿勢になり、背中や腰に負担がかかって腰痛が起こる原因になります。

妊娠中の腰痛予防で一番大切なことは、正しい姿勢を保つことです。
日頃から、正しい姿勢を意識することが腰痛の予防・軽減につながります。
背筋を伸ばし真っすぐに立ち、肩の力を抜いて、左右の足の親指に重心をかけましょう。
また、腰に負担のかからない動作を心がけることや、軽い運動・ストレッチを取り入れて筋肉をほぐすこと、腰を温めて血行を促すこと、骨盤ベルトや腹帯などで腰の負担を軽くすることなどがあります。

妊娠中に起こる腰痛には、病気が隠れている場合もあります。
時間ごとに痛みが増していく場合や、強い痛みがある場合は、自己判断せずに、医師に相談しましょう。

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