曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「葉酸について」

『葉酸』は、妊娠前から意識して摂取してほしい栄養素です。

水溶性のビタミンB群のひとつである『葉酸』は、ビタミンB6やB12とともに働き、妊娠の成立や、胎盤の完成、胎児の体の形成に欠かせない、重要な栄養素です。
妊娠前から妊娠初期に摂取することで、胎児の脳や脊髄の発達異常である『神経管閉鎖障害』のリスクを減らすことが分かっており、妊娠成立の3ヶ月以上前から摂取することが望ましいといわれています。

また、近年の研究から、妊娠初期以降も葉酸を摂取し続けることで、胎盤の血管の問題をきっかけに発症する『胎盤関連産科合併症』の発症リスクを抑制することが分かってきました。
『胎盤関連産科合併症』は、常位胎盤早期剥離・妊娠高血圧症候群・胎児発育不全・早産などの合併症の総称で、一度発症すると有効な治療手段がないため、予防が大切になります。
葉酸と一緒に、マルチビタミンを摂取することで、合併症の発症率を減らすことができるといわれています。

厚生労働省では、葉酸を食事で摂取する場合の推奨量を、成人1日あたり240マイクログラムとしていて、妊娠を計画している場合や、妊娠初期には、食事からの摂取に加えサプリメントなどの栄養補助食品から400マイクログラムの摂取、また、妊娠中期と後期には、食事から480マイクログラム、授乳中は340マイクログラムを摂取するよう推奨しています。

葉酸は、緑黄色野菜や果物などに含まれていますが、体内にためておくことができないため、毎日とることが大切です。
水に溶けやすいので、調理法に注意して 効率よく摂取しましょう。

プッシュ通知でTKUの番組やイベントの
最新情報をお届けします!