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「食中毒について」
食中毒は、年間を通して発生するものですが、1年のうちで一番、食中毒が発生しやすいのは、6月から9月といわれています。
食中毒とは、細菌やウイルス、有害な物質がついた食べ物を食べることによって、下痢や腹痛、発熱、嘔吐などの症状が出る病気のことで、細菌による食中毒は、梅雨時期から夏場に多く、ウイルスによる食中毒は、冬場に流行します。
妊娠中は、免疫力が低下するため、いつもより、食中毒にかかりやすくなります。
中でも、妊娠中、特に気をつけたいのが、『リステリア菌』と『トキソプラズマ』です。
『リステリア菌』は、土や川、動物の腸や魚介類など、自然界に広く存在する細菌で、妊娠中は、通常より20倍以上も感染しやすく、感染すると重症化しやすいといわれています。
胎盤を通してお腹の赤ちゃんに感染すると、流産や早産、死産などの原因にもなります。
リステリア菌は、塩分に強く、加熱せずにそのまま食べられる食品に多い細菌です。
ナチュラルチーズ、肉・魚のパテ、生ハム、スモークサーモンなど、十分気をつけましょう。
『トキソプラズマ』は、家畜の肉や 猫の糞、土の中にいる単細胞の寄生虫で、一度感染すると免疫がつきますが、妊娠中に初めて感染すると、胎盤を通して お腹の赤ちゃんにも感染する可能性があり、流産・死産・水頭症・運動障害などを引き起こすことがあります。
感染源としては、トキソプラズマに感染している肉を加熱不十分な状態で食べること、土いじり、トキソプラズマに感染している猫の糞に触れることなどです。
残念なことに、新型コロナウイルス感染症対策だけでは、食中毒は予防できません。
家庭でも、調理中は、こまめに手を洗うなど、食中毒の予防を心がけましょう。