曜子先生の女性教室

曜子先生の女性教室

毎週火曜よる9:54 OA
知っているようで意外と知らない女性の体について、福田病院の福田曜子先生が皆さんからの質問に答えます。
愛育会 福田病院 産婦人科 福田 曜子先生
OA

「食中毒について」

食中毒とは、食中毒を起こすもとになる細菌やウイルス、有害な物質がついた食べ物を食べることで、下痢や腹痛、発熱、嘔吐などの症状が出る病気のことです。
細菌による食中毒が多くなるのは、気温が高く、細菌が育ちやすい6月から9月ごろといわれています。

妊娠中は免疫力が低下するため、いつもより食中毒にかかりやすくなります。
特に、妊婦さんに気をつけてほしいのが、『リステリア菌』と『トキソプラズマ』です。

『リステリア菌』は、ナチュラルチーズやスモークサーモン、生ハム、肉や魚のパテなど、加熱していない食品や、加熱せずに食べられる食品に多い細菌です。
妊娠中は、通常より20倍以上も感染しやすく、感染すると重症化しやすいほか、早産や流産、胎児死亡に至る可能性もあります。
リステリア菌は、消毒剤や加熱には弱い菌ですが、塩分や低温に強いため、冷蔵庫内でも増殖するので、注意しましょう。

『トキソプラズマ』は、加熱不十分な豚・羊などの肉や、猫の糞、土の中にいる寄生虫で、これらが口に入ることで感染します。一度感染すると免疫がつきますが、妊娠中に初めて感染すると、胎盤を通してお腹の赤ちゃんに感染する場合があり、妊娠初期に感染すると、流産・死産の可能性、妊娠中期から後期にかけて感染すると、水頭症や視覚障害、運動機能障害などを引き起こす可能性があります。
肉を中心部までしっかり加熱することや、肉を切った包丁・まな板の洗浄・消毒、猫のトイレ掃除は家族に任せるなどして、予防をしましょう。

食中毒予防の基本は、手洗いです。食事の前はもちろん、調理中、トイレのあと、ペットに触れたあとなど、忘れずに、意識して手を洗いましょう。

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