担当 : 水上清乃

特別講師:県聴覚障害者情報提供センター所長で手話通訳士 小野尚寿さん

起立!気をつけ!礼!お願いします!


このコーナーは、スタジオにその道の専門家をお招きして、私たちが普段知りえない事を教わろうという画期的なコーナーです!


今回の先生は、県聴覚障害者情報提供センター所長で手話通訳士 小野尚寿さんです。そしてきょうは、特別に松本さんに手話通訳をしていただきます!


今回の授業内容は「奥深い!視覚的言語 手話の世界」です。手話は、日本語、英語、中国語などと同じように「言語」の一つです。日常生活で手話を使っているろう者にとっては、なくてはならない言語なんです。日本で、実際にろう教育が始まったのは明治時代に入ってから、1878年の日本初のろう学校京都盲啞院からなんです。それまでは、寺子屋みたいなところで個人的に手話が教えられていたみたいです。きちんと教育が始まったのは145年前、比較的最近にも感じますね。現在は熊本県や熊本市は「手話言語条例」を制定して手話を意思疎通の手段としての理解促進のためにいろいろな取り組みが始まっているところなんです。このコーナーをきっかけにぜひ手話に関心を持ってください!


手話は単なる手の動きだけでなく、顔の表情や身のこなしがとても大事なんです。コロナ禍でマスク生活になって、表情わかりにくくなりましたよね。聴覚障がいの方から、「マスクを付けていると、口の動きや顔の表情がわかりにくいので困っています」とよく聞きます。ただ、コロナ禍で、非常事態宣言や知事会見、市長会見の機会が増え、手話言語条例の取り組みもあると思いますが、知事会見や市長会見には必ず、手話通訳が付くようになったことは、ひとつの前進だと思います。手話通訳の人の服が青いのは、後ろの背景と似た色でなければ、青い服の方が、手や肌の色にかぶらず見やすいと言われているからです。 以前、熊本の聴覚障がい者と手話通訳者が話し合いをして、青のハイネックが見やすいということになりました。 あと、柄物の服やネックレスや指輪などの光る物は見にくいと言われています。


よく、手話は世界共通ですかと聞かれるのですが、実は手話は世界共通ではないんです。抽象的な手話表現は、その国の文化や習慣に影響されるので違います。ただ、ビールを飲むとかステーキを食べるのなどの具体的な動作は、お互いが通じる方法で身振りやゼスチャーを行い、お互いの国の手話を確認していくので、1週間くらいで、日常の意思疎通は困らなくなりますね!


たくさんの皆さんに関心を持って、そして何より続けてほしいですよね。


手話講習会については、一般財団法熊本県ろう者福祉協会 熊本聴覚障害者総合福祉センターまでお問い合わせください。


熊本県、熊本市でも「手話言語条例」を設けてもらいましたし、みなさんが、聴覚障がい者や手話についての理解を深めていただき、みんなが幸せに暮らしやすい社会になっていくことを願っています。


一般財団法熊本県ろう者福祉協会 熊本聴覚障害者総合福祉センター
住所 熊本市中央区水前寺6-9-4
TEL 096-383-5587
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