担当 : 水上清乃

特別講師:「肥後銀行」前田直也さん

「相続対策!遺言のススメ」


今回の「知っ得!?火曜塾」特別講師は、肥後銀行の前田直也さんです。今日は特に手続きが大変といわれる「相続」について教えていただきます。


身近な方がお亡くなりになり、悲しみの中、何をしたらいいのか?何から始めればいいのか? 途方に暮れてしまいますが、相続の手続きには期限が設けられているものもございます。今回は相続の入門編として、その基本を学び、後半は遺言の作成について紹介します。


まず最初は『相続の手続きについて』

「相続手続」が大変だ!と聞いたことがあると思います。まずは実際どんなことが大変なのか? 具体的に、相続が発生したらどんな手続が必要だと思いますか?!
通夜、葬儀、火葬埋葬、お金のこと(預貯金)、土地・建物のこと(不動産)、年金、保険、公共料金もろもろいっぱいです。ここでおさえておきたいのが、手続きの流れの中で「期限」があるものです。特に相続の開始後原則3ヶ月が期限となっている「相続放棄」の手続きです。相続するもの中には預貯金や不動産といったプラスの財産の他にも債務・借金といったマイナスの財産もあります。そのマイナスの財産(借金)の方が圧倒的に多い等の場合には相続放棄を検討する必要があるかと思います。そもそも亡くなった方に借金があることを知らないといったケースもあります。悲しみに堪えて3か月で調査しないと「期限」のせいで、手続きが「大変」となってしまうということなんです。
他にも期限があるのが、亡くなられた方の確定申告を行う「準確定申告」(4か月)や、良く耳にする「相続税の申告」(10か月)などがあります。相続税の申告が必要になるのは、基礎控除「3000万円+600万円×法定相続人の数」を超える相続財産がある場合です。熊本県では例年4%~5%の方が相続税の申告を必要としているというデータがございます。


先生、やはり一番大変なのは「遺産分割」ですよね?


そうなんです。「遺産分割」は相続人で、誰がどの財産を相続するのか等の、具体的な財産配分を決めることです。 「相続」が「争族」になると、聞かれたことがあるかもしれませんが、相続人で揉めてしまい、なかなか協議が纏まらない。纏まらない為に、期限に間に合わない。やはり「大変」なポイントと言えるでしょう。
遺産分割を行うには、その為の協議を相続人全員で行う必要があります。配偶者とお子様がいらっしゃる方の相続人は、そのまま配偶者とお子さまになりますが、 お子様がいらっしゃらない方の相続人は、配偶者、親、兄弟、兄弟が先に亡くなっている場合は、兄弟の子(甥・姪)と、相続人の数が増えるケースが多いです。ですので、甥・姪と遺産分割の為の協議をするということも珍しくありません。甥・姪ともなれば、疎遠になっていて連絡を取り合う事すら難しく、なかなか協議が進まない等が想定されます


お金だけであれば、割合で相続するとか、金融機関毎に相続するとか、分割することは比較的容易かもしれませんが、不動産がある場合は、その不動産の評価・価値はいくらだとか、その不動産は誰が使っているのか等を考える必要が出てきます。そういうことも遺産分割をする際の「煩わしさ」「大変さ」に関わってきます。実際に遺産分割が纏まらず、お金(金融機関)、不動産が亡くなった方名義のままということが多く発生しています。


相続手続の「煩わしさ」「大変さ」がお分かりいただけたかと思います。そういったものを取り除けるのが?先生


はい!遺言でございます。「遺言」の主な効力の中に「遺される相続人に、相続する配分を決めることができること」と、「相続人以外の人への財産配分」があります。この2つの遺言の効力により、遺された相続人の相続手続が「大変」なモノから「有難い」モノに変えることができるんです!


続いては、『相続を想続に。遺言作成のポイント!』

先ほどの復習になりますが、相続手続で特に大変なのが「遺産分割」でしたね。「遺言」をしっかり準備することで、遺された相続人は遺産分割の為の協議をする必要がなくなります。生前、ご自身が築いた財産の行先を、ご自身で決めることができるというわけです。両者にとって「有難い」効力が「遺言」にあります。


遺言書は15歳以上であれば作ることは可能です。お若い方でも、自分に万が一があった時にご家族に迷惑をかけたくないとおもったら、準備してよろしいかと。遺言はいつでも書き替えることが可能です。想いが変わったり、財産内容が変わることがあると思いますので、当初の想い(一回作成した遺言の内容)に縛られる必要はありません。


また、もう一つ遺言で出来る大きな効力に「相続人以外へ財産を渡す」ことがあります。たとえば、子供の配偶者が普段から世話をしてくれているから、その人に財産の一部を遺したいんだ。とか、学校や施設に寄付したいとか、内縁のパートナーに財産を遺したいという様なことも遺言を使うことで可能になります。遺言の効力を上手く使うことで、「相続」に心をプラスして想いをつなぐ「想続」にすることができるのです。


「遺言」は法的効力を有する法律文書です。遺言が有るか無いかでその後の手続きに大きな影響を与えます。今日の授業で効力や有効性について、ご理解頂けたかと思いますが、注意しない といけない点等はまだまだございます。「遺言」について更に勉強を深めて、将来の為に、ご自身の相続人の為に、出来ることを準備していきましょう。
今日全部をお話しきれませんでしたので、詳しは肥後銀行の最寄の支店、または、「肥後銀行・遺言」で検索してください。


前田さん、ありがとうございました!


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