郡司 琢哉
TKUアナウンサー 郡司 琢哉 Takuya Gunshi

港に戻った1隻の船

宮城県北東部の南三陸町というところで、震災関係の取材をしています。

南三陸町は岩手県へと続く三陸海岸の南端で、とてもカキやワカメなど養殖業が盛んなところです。
ところが今回の震災で多くの港や船が被害を受けました。

町内にいくつかある漁港のひとつ清水(しず)漁港では、11人の漁師さんは無事だったもの震災前50隻あった船が津波ですべて流されてしまいました。

漁船は1隻でも残っていれば、漁師は海のがれきを撤去したり海中の様子を見に行くことができます。
しかしすべての船が流された清水漁港では、震災から2か月以上たった今でもそれができずにいます。

そうした中、50隻のうちの1隻が1キロ離れた隣町の海岸に流れ着いていることが分かり、昨日別の船にえい航されて震災から約70日ぶりに漁港に帰って来ました。
安堵の表情を浮かべる漁師さんたち。
家も車も流されたけど、少しだけ希望が持てた瞬間でした。

宮城県では被災した漁師の3割が、ほかの職に就くことを考えているそうです。
しかし清水漁港の11人は全員、また漁師をしたいと話しています。

「だって俺らには海しがねえべ」

長い道のりだろうけど、応援しています。
「近い将来、南三陸のワカメを見たら絶対に買いますね」と言ってその場をあとにしました。

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