学生服のタケモト 縫製工場
今日は、制服製作の繁忙期に入った「学生服のタケモト 本社工場」からお送りします。4月になったらパリッと似た制服に身を包んだ新中学生や新高校生が熊本の町を闊歩するのですが、その制服の多くはこの工場で作られていると言っても過言ではないんです。詳しいお話を、株式会社タケモトの船津さんにお伺いします。よろしくお願いします!年が明けたら制服作りの最盛期ですね!
『はい。正確には昨年の11月くらいから公立中学校に入学する児童が採寸に来始めていて、その位からが繁忙期に入った感じですね。』
そんな時期からなんですね。では、ほぼ手作りで作られる制服の工場内に入ってみましょう。皆さん真剣なまなざしで作業を進めていらっしゃいます。船津さん、ここではどんな工程で作業が進められているのでしょうか?
『おおまかに、型紙の印刷・生地の裁断・縫製の下準備、そして各パートごとの縫製といった感じです。』
皆さんご覧いただけますか?縫製もほとんど人の手で行われているんですよ!各作業を見ていく前に、あらためて、学生服のタケモトについて教えてください。
『はい。弊社は1911年、創業者の武本安太郎が30歳の時に開店した「武本洋装店」からスタートしました。熊本の婦人服のオーダーメイドで作り、昭和初めには現在の「第一高等学校」からの依頼を受け、熊本でいち早く「制服」を作ったのもタケモトなんです。』
えぇ~!そんな長い歴史があったんですね! 現在何校の制服を作っていらっしゃるんですか?
『中学校が105校、高校が50校、他にも企業のユニフォームなども制作しております。』
すごい!そして今回はその制服を作っている工場に中継としては初めて潜入いたします。それでは、どのように制服が作られていくのか、その工程を見ていきましょう!こちらは何の作業になりますか?
『これは下準備になります。ロックミシンというものを使って、生地の切り口をほつれにくくするために補強する作業ですね。』
なるほど!制服は洗ったりすることもできますから、そこで、縫い目の糸などがほつれないように補強するんですね!そしてお次は?
『補強した袖部分にアイロンをかけて形を整え、次の工程に持っていきます。』
完璧な分業なんですね!さてさて、お次は?
『「衿付け」です。胴体部分に襟をつけていく作業ですね!』
どちらも手際が良い!熟練の技が光りますね!さて、お次は?
『「袖付け」の作業に入ります。ここで、胴体と袖の部分をくっつけていきます。』
なるほど!バラバラだったパーツが一つにまとまってきて、制服の形になってきましたね!袖付けが終わり、じゃじゃ~ん!まだ完成ではないですが、制服の型になりました!本当に熟練の技が合わさって一着の制服を生み出しているんですね!年間どれくらいの制服を作られるんですか?
『年間1万5000点ほどを製作しております!』
一着一着真心こめて作られているんですね。ちなみに、その人ごとに採寸したデータで作られているんですか?
『いえ、弊社が常時用意している30数通りの規格サイズからその人にあった形を選んでお作りしております。』
英太郎さんみたいな大きい人は?
『そういう方のみ特注の型紙を作って対応しております。』
さあ、制服がどのように作られているか分かったところで、後半は、こちらの工場で作られている制服の中から特に思い入れのある制服をご紹介していただきたいと思います。
『まずはこちらの中学校のセーラー服です、そして、済々黌高等学校の制服、そして県立第一高等学校です。この第一高等学校の制服は、まだ女学生のスタイルが着物に袴だった時代、タケモトの創業者、武本安太郎の娘が第一高等学校に通い始め、試しに…とセーラー服を作ったことから全てがスタートしました。今も引き継がれている、白い1本線がトレードマークのセーラー服です。』
その他にも、本田さんの母校・熊本高校の制服、また熊本学園大学附属高校や東海大学付属熊本星翔高校の制服なども作られていますよ!
作り手のこだわりと機能性にもこだわった制服ばかりですね!