木曜日といえばこのコーナー 中継

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担当 : 太田弘樹・緒方由美

益城町「城野印刷所」

今日の中継は、益城町にある「城野印刷所 」にお邪魔しています!工場の敷地面積は16,733㎡で、サッカーコートおよそ2個分の広さがあるんですよ~。ここ城野印刷所では、卒業アルバムの製作を行っているんです!卒業アルバムなので、私たちも学生の頃の気持ちを思い出すために制服を着てきましたー! 今日は卒業アルバムの製作工場に潜入しちゃいますよー!!それでは工場内をご案内いただく方をご紹介しましょう!城野印刷所の城野 斉社長です!まずは、城野印刷所について教えてください。

『はい。城野印刷所は1916年に写真館として創業しました。107年の歴史があります。2016年の熊本地震で工場は全壊してしまったんですが、機械は奇跡的に無事で、また営業を再開することができました。卒業アルバムに関しては、熊本・九州にとどまらず、北は東北(秋田県)から南は沖縄石垣島まで全32県から注文いただき、年間およそ1200校、合計およそ13万冊を製作しています。』

ものすごい数ですね!やっぱり今からの時期が卒業アルバム製作の最盛期ですか?

『はい、そうです。 アルバム制作には、工場だけではなく、営業担当も含め最多80人のスタッフが関わっています。 学校の卒業式に合わせて、7月ごろから、1月にかけて制作していきます。』

そして、歴史を感じる卒業アルバムをお持ちですが、いつ頃のですか?

『こちらは52年前の昭和46年の卒業アルバムです。卒業アルバム製作の歴史は、大正10年に熊本高等工業学校の卒業アルバムを作ったのが最初という記録が残っていますが、現存する1番古いアルバムはこちらです。』

卒業アルバムの製作も100年以上の歴史があるんですね!卒業アルバムを製本する前にとても重要な工程があるんですよね!

『そうなんです。担当する写真館から届いた写真の画質補正を、工場の2階で行っています。 』

どのように画質補正しているのか分かりやすく、写真を拡大したものをご用意しました。こちらが画質補正前の写真です。この写真を画質補正担当のスペシャリストが、パソコンで明るさや色合いを調整するとこのように美しい写真に仕上がるんです!!すごくキレイ!!これぞプロの技ですね!卒業アルバムの写真は1枚1枚全部画質補正をしているんですか?

『そうなんです。写真はそれぞれ明るさや色合いが違いますので、補正しないとアルバムにした時に明るい写真があったり、暗い写真があったりして 統一感がなくなってしまうので、1枚1枚全て画質補正を行っています。』

そしてもう1つご紹介したい技術があるんですが、こちらの写真をご覧ください。卒業アルバムでよくある写真だと思うのですが、クラスの集合写真で欠席者の人が写真の上の方に〇の中に顔だけ写っている写真ってありましたよね。今回はかたらんねの出演者の集合写真を使用して、欠席者を城野社長ということにしているんですが、今の卒業写真はこんな感じではないんです!今の卒業写真はこのようになっています! ご覧ください!かたらんねの出演者の集合写真の中に、城野社長が並んで写っていますね!

『そうですね。今は写真の合成技術も上がっていますので、もし、クラスの集合写真の撮影日に欠席になってしまっても、通常よりお時間をいただきますが、まるで一緒に写っているように仕上げることができます。 』

卒業写真は一生ものですから、これは嬉しいですよね!このように、画質補正や合成などの繊細な作業があってこそ卒業アルバムを開いた時に、写真1枚1枚から、あのキラキラした思い出がよみがえって来るわけですね~。それでは、いよいよ製本の工程を見に行きましょうか!

『はい。まずはこちらの部屋へ入っていきましょう! (デジタル印刷機の部屋へ) 』

わー!これは何ですか?これ、印刷機ですか?

『これは、「デジタル印刷機」といいます。卒業アルバムは、表紙と中の本文を別々に作っていくんですが、まずは、本文をこの機械で印刷していきます。』

今印刷している用紙はこちらなんです。すごく大きいですね!

『はい。この用紙1枚が本文の4ページ分になります。 』

今まさに、次々に印刷されていますよー!!

『このデジタル印刷機は、「ニスコーター」という機械につながっているんですが、インクジェットで印刷されたものが、そのまま「ニスコーター」に入って一瞬でニスをひいて、表面をツルツルにコーティングしています。 』

表面がニスでコーティングされているから、光沢があって美しいですね。また、ニスでコーティングすることで、印刷物のこすれなどにも強く、美しさが持続するそうですよ。この後は、どんな工程になるんですか?

『はい。では続いて本文の工程の前に、表紙の製作工程を見ていきましょう。表紙の素材はですね、紙や布、皮などいろんな種類があるんですよ。』

生地の種類も、色もたくさんあるんですね! これは選ぶの迷っちゃいますね。

『そうなんです。それぞれの学校が選んだ生地を、表紙の芯になるボール紙に貼っていきます。その作業をしているのがこちらの「表紙貼り機」です。今まさに作業しています。ボール紙に生地を貼り合わせたら、生地の上に学校名などを箔押し加工します。凸の金属版を使い、熱と圧をかけて表紙に箔を転写する加工方法です。この作業は自動ではなく、熟練のスタッフが手作業で1つ1つ箔押ししています。』

これは職人技!という感じですね。できあがった表紙がこちらですね。表紙はアルバムの顏と言っても過言じゃないですから、重要な作業ですよね。

『そのあとに、先ほど印刷した本文の工程になります。まずは印刷した本文の余白を「断裁機」で切り落とします。余白を切り落としたのがこちらですね。余白を切り落としたら「紙折機」で本文を折ります。折ったものがこちらです。』

ここまで来たら、なんとなくアルバムの形が見えてきましたね。

『そうですね。続いてこちらを貼り合わせていく工程に行きます。続いて使用する機械がこちらの「丁合合紙機」です。この機械で、丁合といって片面に印刷されたものをのり付けしてページを貼り合わせていきます。そして、のり付けされた本文がこちらです!本文ののりが乾いたら、最後に本文と表紙を合わせる表紙入れの作業をします。最後に使用する機械がこちらの「合本機」です。こちらも1つ1つ手作業になります。』

では、すでにのりが乾いている本文と表紙を合わせていただきましょう。ここでアルバム製作の全工程が終了しましたー!!

『出来上がった(製本された)アルバムは、このあと全冊検品を行い、梱包して発送していきます。全冊検品では卒業生の皆さんがアルバムを手に取った時に喜んでいただけるよう、傷や汚れ乱丁などがないか1冊ずつ確認をします。』

これはありがたいですね。愛情を感じますね。初めて卒業アルバムの製作工程を見学しましたけど、色々な技術や工程でたくさんの人が関わり、機械だけではなく人の目や手での作業も一つ一つ丁寧におこなっているんですね。皆さんも自分の卒業アルバムを改めて見返してみてくださいねー!!

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