腰掛け。
復帰後の現場、最初は阿蘇市の仮設住宅。
佐賀の高校生が腰掛けに使える木製ベンチを寄贈しました。
嬉しそうに座り心地を確かめるおばあちゃんに
何気なくマイクを向けました。
正直、「嬉しいですね」という答えを期待していました。
「じいちゃんがいたら二人で座るけど、ひとりになったから…」
はっとしました。
賑やかな雰囲気に一瞬忘れていたのです。
土砂崩れで、家族を失った人がいることを。
あとひとり座れそうなベンチのスペースを
愛しそうに何度もなでる姿に
胸を締め付けられました。